昭和は遠くなりにけり

港街から日々のよしなしごとを淡々と

2050年の日本サッカー

それにしても、実に快適な夏である。

出社は平均して週に1、2日。出社してもオフィスにいる時間はせいぜい5時間程度。朝夕の渋滞を避けられるからクルマで都心に出勤することもできる。
テレカンは社内であればビデオOFFなのでTシャツ短パンで問題なし。家ではエアコンの効いたリビングのソファーでオリンピック三昧。夏休みの子供たちの様子も見てやれる。

いやはや、こんな生活になるとは1年半前には夢にも思わなかった。
元々家庭の事情で旅行に行けない夏だったので、不満と言えば、オリンピックのせいで首都高が1000円増しになっていることくらい。

 

というわけでオリンピックである。どうせやるなら楽しまなきゃ損なので、地上波とBS、ネット配信を行ったり来たりして観戦している。

基本的に、スポーツはやるものではなく観るものというのがモットー。
柔道を見ては「つぇー」、体操を見ては「すげぇー」、スケボーを見ては「痛そー」とか言ってるだけではあるが、ほとんどの日本人も似たり寄ったりであろう。

ところが、野球とサッカーだけはそうはいかない。どんなに選手が頑張っていても、負けた時はもちろんのこと勝った時であっても、素直によくやった!とはならないで、ああだこうだと指摘してしまうわけで、SNSを見ていると、これも多くの日本人に共通な気がする。

 

選手には酷だなと思わないでもないし、柔道や体操やスケボーのように無心に楽しめないというのも損している気分にもなるが、こればかりは致し方ない。

 

そんなわけで男子サッカーである。
普段ほとんどプレミアリーグしか見ていないから、日本代表の試合をまともに見るのは久しぶりだったが、確かにこの20年ほどで格段に強くなったなぁと感じる。
しかし、ここぞという大事な試合で、結果としてスペインやメキシコという強豪国に勝つことは相変わらずできなかった。それはまだまだ、サッカーの世界でトップレベルというには遠いという現実だろう。
オリンピック開幕前からメダルとか優勝とかいう言葉が飛び交っていたので、観ているこちらもその気になってしまう部分があったが、まあ買い被りすぎだったのだろう。

しかし何と言うか、それは当たり前でもある。

Jリーグ発足から29年。プロ野球で言えば、巨人・阪神などが相次いで設立され、初めてプロ野球リーグが発足した1936年(昭和11年)から29年後というところだ。

1965年(昭和40年)と言えば、巨人のV9が始まった年。ON砲が全盛期へと向かうあたり。
人気は凄かっただろうし、長嶋がドジャースに誘われたというようなこともあったようだが、全体としてはまだまだメジャーリーグと対等に勝負できるレベルではなかっただろう。

野茂がメジャーに移籍するのは1995年、イチローマリナーズ首位打者になるのが2001年、日本代表が第1回WBCで優勝するのは2006年なので、ON砲からおよそ30〜40年後に、日本は世界レベル(野球の場合、世界=メジャーだが)に達したと言う感じだろうか。まあ野球は特殊な閉鎖性が日本にもアメリカにもあったから、25〜30年後くらいには追い付いていたのかも知れない。

とすれば、今から四半世紀強、2050年を迎える前には、日本サッカーも世界レベルに到達するということかも知れない。

 

などと戯言を考えつつ、もうすぐ訪れるであろう「オリンピック・ロス」は、プレミアリーグの開幕で埋め合わせるか。